フリーランス

フリーランスは雇用保険をもらえるのか?

これから会社を辞めてフリーランスとして独立を考えている人にとって、フリーランスでも雇用保険の給付金をもらえるのかどうかは、とても気になりますよね。

僕もちょうどそのような状況で、退職前から色々調べてはいたのですが、「こういう場合はどうなんだろう?」みたいな疑問が結構ありました。
そしていよいよ退職し、実際にハローワークに足を運ぶ機会が訪れましたので、担当者の方に色々と聞いてきました。

質問したのは主に以下のような内容です。

  • そもそもフリーランスでも雇用保険をもらえるのか?
  • 自己都合退職の場合、3ヵ月の給付制限期間中はフリーランスとして働いて良いのか?
  • フリーランスとして開業後、事業が上手くいかずに廃業した場合は受給資格はあるのか?

以下に詳しく書いていきます。

フリーランスは雇用保険をもらえるのか?

答えは、

「完全にフリーランスに専念するつもりならもらえない」
「ただし、まだ検討している段階で、求職の意思もあるならもらえる」

とのことです。

そもそも雇用保険は、企業に雇用される人が再就職するのを支援する制度ですので、雇用されないフリーランスは受給資格はないということですね。

既に開業届を出してしまった場合は、完全にフリーランスに専念するとみなされてしまいますので、受給資格はなくなります

ただ、フリーランスになりたいけどまだ準備中で、かつ、ダメだったらやっぱり再就職という道も考えているという場合は、受給資格があります

まあフリーランスに専念するとか、求職の意思があるかどうかというのは、言葉だけでは完全には証明できませんので、やはり「開業届を出しているかどうか」が一つの指標になると思います。

再就職手当はもらえる可能性がある?

通常、雇用保険の受給期間を満了する前に再就職が決まった場合、残りの給付金の6~7割程度を再就職手当として受け取ることができます。

フリーランスに専念することになり、受給資格を失った場合でも、再就職手当はもらえる可能性があります

これは受給資格者のしおりに以下のように書かれていました。

次のAまたはBのいずれかに該当する場合は、「自立することができると認められているもの」として取り扱われます。

A 受給期間内に開始した事業により被保険者となる労働者を雇い入れ、雇用保険の適用事業の事業主となること。ただし、概ね1年以下の期間を定めて行う事業を除く。

B 登記事項証明書(個人事業の場合は税務署に提出する開業届の写し)、事業許可証等の客観的資料によって事業の開始、事業内容及び事業所の実在が確認でき、かつ次の(a)~(d)のいずれかに該当することにより、1年を超えて事業を安定的に継続して行うことができる客観的条件を備えていると認められるもの。

(a) 通常、独立開業できる程度の資格、技能等を有するものであって、自らの職業経験を生かして事業を開始するものであること。

(b) 事業の開始に当たって、事業所の工事費、事務所等の賃借料、設備・機器・備品の購入費・借料等、一定の経費を要したものであって、その地域の同種の事業と比較して事業実施体制、設備等がおおむね同様の事業実態にあるものであること。

(c) 被保険者とはならないが補助的に業務をこなす者(同居の親族を除く。)を複数雇用するものであること。

(d) 他の事業主との請負契約等を締結する場合等、当該契約の内容から判断して1年を超えて事業の継続性が認められるものであること。

Aについては、会社を作って社員を雇って雇用保険に加入するような場合なので、フリーランスに該当するのはBの方ですね。

要は、開業届を出しており、その後1年以上事業を継続できることを証明できればもらえるとのことです。そして1年以上継続することの判断条件として、(a)~(d)があると。

ただ(a)と(b)なんかは特にですが、判断基準が結構あいまいなので、これに関しては実際にハローワークで確認して判断してもらうしかないですね。

僕の場合、エンジニア経験10年で独立した訳ですけど、これって(a)に該当するんですかね?これは今度聞いてみようと思います。

自己都合退職の場合、3ヵ月の給付制限期間中はフリーランスとして働いて良いのか?

自己都合で退職した場合は、3ヵ月間の給付制限期間があります。その間は一切お金はもらえない状態ですので、できれば働いてお金を稼ぎたいですよね。

これに関しては、具体的に「クラウドソーシングで働いても大丈夫ですか?」ということを単刀直入に聞いてみました。

答えは、

「週20時間以内の労働だったらOK」
「働いた日は申告が必要」

とのことです。

担当の人はクラウドソーシングの意味がそもそも分かってないみたいでしたが、他の人に聞きに行って答えてくれました・・・w

基本的にはアルバイトやパートで働く場合と同じだと思います。単発の仕事で、週20時間以内であれば、クラウドソーシングで働いてもOKとのことでした。

ただし、申告は必要です。(働いた日を記録しておいて認定日に提出します。)
クラウドソーシングだと基本的に在宅での作業になると思いますが、嘘の申告は絶対にしないようにしましょう。仮に嘘の申告をして不正受給した場合、受給した金額の3倍を支払うことになります。

また、フルタイムで働くのはやはりダメみたいですね。フルタイムだと、それはもう就労したとみなされてしまうようです。

フリーランスとして開業後、事業が上手くいかずに廃業した場合は受給資格はあるのか?

例えば、フリーランスとして半年働いたけど上手くいかず、やっぱり再就職したい。となった場合、受給資格は復活するのか?というのも聞いてみました。

答えは、

「受給資格はなくなります」

とのことです。

まず、フリーランスに専念するとなった時点でその旨をハローワークに報告する必要があるので、この時点で受給資格は無くなってしまいます

仮にハローワークに報告せずに、フリーランスとして本格的に働きながら受給してしまったら、それは不正受給になってしまいますので、報告は必ずした方が良いですね。

ただ、これは実際に聞いてみた訳ではありませんが、雇用保険をもらえる期限は会社を辞めてから1年間ですので、一度もハローワークに行かずにフリーランスとして働く上手くいかなかったので再就職したいハローワークに行く。という流れであれば、1年以内だったらもらえるのではないかという気はします。

気になる方は直接ハローワークに確認してみてください。

結論:フリーランスになるなら雇用保険は当てにしない方が良い

以上のことから、「条件を満たせばもらえるよ」という内容ではあったのですが、個人的な意見としては、

「フリーランスになるなら雇用保険は当てにしない方が良い」

というのが僕の結論です。理由は2つあります。

理由1:活動に制限が掛かってしまう

一つ目は、「活動に制限が掛かってしまう」というのが一番の理由です。

週20時間しか働けないというのもそうですが、「これはやってよい」「これはやってはいけない」みたいなことを一々考えたり調べたりするのも面倒ですし、独立したてで先が見えない時期に、目いっぱい動けないのはもどかしいなと思いました。

それよりは、雇用保険のことはすっぱり忘れて、自由に好きな活動ができた方が良いなという結論に至りました。

理由2:お金の問題

二つ目は、単純に「お金の損得」の問題です。

給付制限期間を待って雇用保険を満額までもらったとして、期間にして約半年で、もらえる金額は月収で元の給与の半分~3分の2程度です。クラウドソーシングで多少稼げたとしても、微々たるものでしょう。

それよりは、半年間フリーランスとしてがっつり仕事した方が、結果的に半年後に手元に残るお金は多くなるんじゃないかと思いました。

自分の地域のハローワークでも必ず確認を

さいごに、この記事に書いた内容は、あくまで僕がハローワークで聞いてきた内容です。

担当者さんが言っていたことが間違っている可能性もありますし、地域によって異なる可能性もあります。

わからないこと、不安なことは、必ずご自身の地域のハローワークで確認していただくよう、お願いします。